事例紹介<在宅ワーカー>
Fさん(仮名)
前 職:信託銀行(年金の運用業務)

ーー 在宅ワークをはじめたきっかけを教えて下さい。
下の子が幼稚園に入園したタイミングで働きたいと思ったのですが、預け先がなかなか見つかりませんでした。実家が遠く、夫も転勤の多いハードワークのため、頼ることもできません。仕事を決めたとしても引っ越しをすれば、またいちから職を探さなくてはなりません。すでに在宅で仕事をしていた身内の様子をみて、自分にもできる仕事があるかと、インターネットで、「データ入力」や「在宅ワーク」と検索し始めたのがきっかけです。偶然ヒットした埼玉県在宅ワーク就業支援事業で「入門コース」を見つけました。県の施策という事もあり、安心して申し込むことができました。
その講座で何かひとつ仕事に応募をするという宿題が出たので、ちょうどライター募集をしていた憧れのアウトドアサイトに、勇気を出してメールを送りました。ライター業務もキャンプもほぼ未経験でしたが、これからチャレンジしていきたいとお伝えすると、まずトライアルで記事を何本か納品することになりました。未経験の私には難しいテーマで、執筆に何日もかかってしまいましたが、採用が決まった時は嬉しかったです。それから在宅の仕事が始まりました。そのクライアント様とは10年経った現在でもお付き合いが続いています。
ーー それはとてもよい思い出ですね。
はい。文章も、慣れてくるとだんだん早く書けるようになりますよ。
ーー 在宅ワークを始める前はどんなお仕事をされていましたか?
信託銀行で年金の運用を13年ほど担当していました。
ーー 仕事の見つけかたと、現在はどのような仕事をしているかお聞かせください。
前職ではExcelを使った仕事をしていたので、ライティングと並行して経験を活かせる事務作業もやってみたいと思っていました。ビジネスマッチング交流会に参加して、キャリア・マムさんのブースに伺い、私の方から望む仕事があるか質問してみたところ、まさに希望するようなプロジェクトに参加することができました。お仕事をいただくには自分からアピールすることが重要です。黙っていても仕事はまわってきませんので自ら発信や、発言することは非常に大切だと思います。
これまで経験してきた仕事は、社内報の取材や、執筆、文章の修正、模擬試験の採点、アノテーション、自治体が行うセミナーの事務局や、イベントの現地スタッフ、オンラインスタッフ、マネージャー業務など多岐にわたります。はじめは自分にもできそうな仕事を選んで応募をしていましたが、次第に担当者からお声をかけていただくことが増えていきました。在宅ワークには本当に様々な仕事があります。自分にできるか不安な仕事の依頼もありますが、今までやってきた仕事の成果が評価されたと考え、できる限りチャレンジするようにしています。やってみると、意外とどうにかなるという事が10年を通しての感想です。
ーー 1日のタイムスケジュールはどの様に調整されていますか?
基本的には午前8時30分から仕事を始め17時までには終わらせるようにしています。
ーー すこし長く感じます
そうですね。でもその間、ちょこちょこ家事もしますよ(笑)。就業開始が9時からのクライアントが多いので、その少し前から準備をし、業務時間とリンクして働くようにしています。17時くらいまではパソコンの前にいますね。
その後の時間は子どもの塾の準備など家の用事に充てていますが、時々、急ぎの仕事が入ることもあります。時間を決めておかないとずっと仕事をしているといった感じになってしまうので、あえて区切りをつけるようにしています。親の介護もしており、週に1、2回のペースで実家に通っているため、日中に仕事ができない時もあります。そのような時には、夜中や早朝に作業することで遅れた分を調整するようにしています。

ーー 仕事と生活の両立はできていますか?
周りの方に支えていただきながらどちらもそれなりにこなせていると思います。在宅ワーカーは小さいお子さんのお世話や、ご自身の体調面での不安など、それぞれ事情を抱えていることも多いため、お互いフォローやサポートをしながらチームで仕事を進めることもあります。
以前埼玉県の在宅ワーク就業支援事業の「スキルアップコース」に参加したことがあるのですが、今でも、当時一緒に講座を受けた仲間と助け合う時があるので、横のつながりを作ることも大切だと思います。
ーー 在宅ワークで心がけていることはありますか?
私は仕事を抱え込んでしまうところがあるので、疑問に思ったことは早めにクライアントに相談するようにしています。こまめにコミュニケーションを図って自分の状況をお話しすることも意識しています。また、仕事の結果に方向性のずれが生じないよう、途中で確認をとるようにもしています。
ーー 1週間のうちどのくらいを在宅ワークに充てていますか?
効率よく取り組めるように考えていますが、忙しい時期ですと、週5日8時30分から17時まで働くこともあります。
ーー 10年ってすごいです。
在宅ワークを20年やっているという方もいらっしゃいますよ!目指したい先輩の存在は自分にとっての励みになっています。本当に様々な在宅ワーカーがいますが、皆さん一生懸命努力されていて、見習う所がたくさんありますし、若い世代の方から学ぶことも多いです。
ーー 今後の展望と予定、これから在宅ワークを考える方に一言アドバイスはありますか?
最近は生成AIを活用するクライアントも増え、ライティング業務に大きな変化を感じます。このような変化はしっかりキャッチアップしていきたいと思っています。また、定年がないので、長く続けるためにどうしたらいいかということは、現在模索中です。無理をすると続かないので、ライフステージに合わせてマイペースに働いていきたいです。また、私の経験をこれから在宅ワークを始める方に向けて還元できるようになると嬉しいですね。在宅ワークは特別なスキルがなくても、今までの仕事で得た経験を活かせる業務はたくさんあります。もちろんこれまでに培ってきた特別なスキルを存分に発揮して働くこともできますよ。
私がそうであったように、最初の一歩を踏み出す勇気を持つことで未来が変わると思っています。埼玉県は、在宅ワークで働きたい方を対象とした支援が非常に充実しているので、これから在宅ワークを始める方は是非そういった機会を利用して仕事につなげていって欲しいです。みんなが、それぞれのライフスタイルの中でやりがいを感じながら働ける在宅ワークはとても素敵なお仕事だと思っています。
インタビュアー:武藤みのぎ